一般社団法人 京都府建築士事務所協会 会報誌 「すじかい」No.422 2016.2 に掲載されました。
京都市立伏見工業高校・演習授業の途中経過
桃山支部は、10月5日に京都市立伏見工業高校の授業を開始しました。生徒数は36名。内4分の1が女子であることに少々驚きました。そして、ようやく生徒の顔と性格や癖が少々わかってきた頃です。設計演習は生徒3人が1組で行います。A設計者がB施主の設計を行い、次にBがCの設計を行い、CがAの設計を担当することで1周します。まず施主が2種類の計画地から1つを選びます。設計者は施主の要望を聞き設計条件をまとめます。エスキスではプランから入る生徒がほとんどなので、イメージはプランだけではないことを指導します。コンセプトを決めることに戸惑う生徒。断面から空間の広がりをイメージすることに戸惑う生徒。廊下の寸法に悩み、窓の位置に悩み、屋根の形状に悩む生徒。小学生の様にほとんど悩まずにドンドン作っていく様子はなく、大学生の様に解決の術を知っているわけでもなく、ただ頭を抱えて悩む高校生。おもわず「青春を楽しめ」って呟いてしまいます。平面で絵を描くことに比べ、立体でものを作る時に、自分で考えて決めることが急に多くなります。ここはそれを実感するチャンスですと高校教師にアドバイス。私の指導方針の一つは「完成させること」です。当然学校側も強くこれを望みますが、私は生徒の「仕事達成の充実」「自信力」に繋がることを期待しています。
我々にとって初めての授業ですから、少々欲張ったプログラムを作りました。ところが、これをやりきるために毎週月曜日の午後に通うことになり、また仕事を増やしたと悩むこの頃です。
萬野光雄