伏見工業高校・授業報告

2017年2月3日 /

一般社団法人 京都府建築士事務所協会 会報誌 「すじかい」No.435 2017.3 に掲載されました。

 京都市立伏見工業高校・授業の報告を致します。桃山支部では、昨年の10月(後期)に2年生の演習系授業である【創造研究Ⅱ】を受け「私の家〜ONE ROOM〜」という課題を出題しました。今までに「6つの参考住宅の解説」「建築模型とプレゼンテーションの魅力」「模型製作の要点」といった内容で3回のレクチャーを行っています。そして今年度から前回の報告でアナウンスしたように、女性建築士をゲスト講師に迎えました。女子生徒が多いことからの提案で、女性部の小林範子さんに平面計画の中間発表から登場して頂いています。また、生徒から建築の仕事や将来の進路や悩みなどの質問に答えることもプログラムに追加しました。趣旨は、社会の前線で働く我々の経験を、技術だけでなく思考のヒントとしてアドバイス出来ればとの提案です。
 質問の内容は、概ね4つに分類し、牧野さんの司会進行のもとで小林さんに答えて頂くといったヒアリング形式で解答しました。①知識・技術について、本来は授業内で解決することですが、全般的な知識の部分が多かったので良い解説をして頂いたと思います。②資格について、資格の種類や数や重要度について、高校生としては非常に興味があることが窺えます。建築の設計をするなら一級建築士が必要であることを強調して説明。③建築の仕事や魅力についての質問では、 収入は? 仕事は大変? クレームは? 生き甲斐は? など、高校生らしいストレートな内容に、ストレートな解答で対応。④人生と進路について、「勉強方法」「人生の挫折」「建築の仕事へ進む動機」「成功の秘訣」などなど、予想した通りの漠然とした内容ですが、牧野さんは「普段あまり語ることがないので」との前置きから、丁寧に熱く語って頂きました。私からは、最近の建設現場で女性が多くの職種で目に付く様になり「現場が綺麗になった事」「言葉使いが優しくなった事」などの女性の活躍場面を話題にしました。また小林さんには、建築の男社会で女性建築士として「苦労した事」「得をした事」について質問したところ、住宅においてはキッチンなどの家事スペースについて奥様とスムーズに打合せが進んだり、現場で親切にされたりなど、現場で感じた事を話して頂きました。
 この後の授業の予定は、2月20日プレゼンテーションまで脇目も振らずに模型を完成させることになります。
 今回の女性部からの応援試みについて、支部内の人材に留まらずに支部を超えて応援を求める事も視野に入れ、今回の様に女性部や又は青年部が支部間を繋ぐ綱であったり又は潤滑油になって頂ける事を、私は望みます。
                                        萬野光雄

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