ブリューゲル「バベルの塔」展

2017年10月14日 /

ブリューゲル「バベルの塔」展

中学生の頃だと思いますが横山光輝が「バビル2世」という漫画を描いていました。「鉄人28号」や「魔法使いサリー」などを手掛けた漫画界の巨匠です。このバビル2世に「バベルの塔」が登場。人工知能を持つ高性能コンピューター施設と記憶しています。この漫画のバベルの塔を見て「これ知ってる」。小学生の頃に通っていたアトリエ(絵画教室)の壁に飾られていた絵と同じでした。砂漠の中に建っていたとは記憶に無いのですが、段々状に天に向う塔の姿は鮮明に覚えていてカッコイイと思いました。明らかな違いは、砂漠の中の廃墟か海辺の村の建設中の塔かです。
10時5分程前に国立国際美術館に到着。30メートルほどの列が出来ていました。いきなりですが、本物を鑑賞した感想は「え、こんなに小さいの?」最前列で見るには15分ほど並びました。絵の前に立って、最前列でないと見えないほど細かく描かれています。ブリューゲルのバベルの塔は2枚描かれています。この絵は後から描かれたものなので、前作よりも細かく多くのストーリーが描かれています。それがこのサイズだとは驚きでした。最後に3倍に拡大した絵が展示してあって2010×1620。普通に鑑賞できるサイズです。小学生の頃、カッコイイと思った一枚の絵を前にして、外壁をゆるりゆるりと天まで昇るスロープに大きな重力が大きな意図的な力で被せられているように見えました。決して登れない塔に、もしかして少しずつなら登れるかもしれないスロープに望みをかける。45年の歳月の重みを感じたひと時でした。
チケット売り場の横で「ここで写真撮っていいですか?」と係りの方に許可を取っていたら、若い女子が3人私たちもと集まってきました。「撮りましょうか」と言ってもらって記念撮影。11時30分頃に美術館を後にしました。チケット売り場に入館者の列もなく、閉幕の1日前としては少し静かな風景でした。
追記:入場して最初に展示されていたのが「16世紀ネーデルランドの彫刻」。「四大ラテン教父」は無着色の木彫刻です。入口ですから混雑していますが、緊張した空気を感じました。背面に廻ったら背中がくり抜かれています。他の彫刻も壁を背にすることを想定してるかの様に背面は荒削りのまま。日本の仏像は背中もデザインされていますから、驚きました。

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